みなさんこんにちは。昨年からエグゼクティブサロンに参加しています、
瀬町奈々美(せまちななみ)です。
今回は私が2023年に出版した「推し活経済 新しいマーケティングのかたち」という本をご紹介しつつ、現代の企業に大切なってくるであろう「愛され力」(特にToC向けのビジネス)について書いていければなと思います。
なぜ企業に「愛され力」が必要なのか?〜私が本を書いた理由〜
私がこの本を書いたのは私が大学3年生の時でした。当時出版社の社長さんとご飯を食べていた時にふと自分が好きなアイドルの話をしていました。
その時に、「めちゃくちゃハマるアイドルとそうじゃないアイドルって何が違うの?」という問いを投げかけられました。なんだろうと考えてでた私の答えが「運営がうまくやれているかですかね?」でした。
どういうことかというと、「アイドルグループ」が好きだけでは好きという気持ちは長く続かない。「運営」がその好きを加速させてくれる施策をしっかり打ってくれるか、「応援し続けたい」と思える何かを継続的に出してくれるか。それがないと、他の情報の渦の中で忘れていってしまうということだったんです。
その時に、もしかしたら「愛される」とは決して「その人が持っている天才的な何か」ではなく、「戦略」なんじゃないかと。
逆をいうと、どんなにいいものを持っていても、いわゆる「機能的価値」を持っていても「愛される戦略」が描けていないと売れないし、続かないんじゃなかと。
情報の渦の中で、いかに人に届けて消費者との「絆」を作るか。
これは、エンタメビジネス以外においても重要な考え方だと思います。今回の記事では、そんな「愛され戦略」について本の中身からかいつまんで紹介していきます。
「推し活経済 新しいマーケティングのかたち」
「推されている」と「ファンがいる」の大きな違いは何か?
推し活をしている「推されている」と「ファンがいる」の大きな違いはなんでしょうか?
キーワードになるのは「自発的行動量」と「熱狂度」です。
例えば、アイドルAくんを好きな人が2人います。2人とも、アイドルAくんが好きという気持ちは持っています。一方で、「推している」人はその好きのエネルギーが外側に向き、色々な行動へと現れていきます。
例えば、「Aくんの好きなところを職場の人に積極的に話す」「Aくんを好きな人を集めてオフ会をする」「Aくんの誕生日に、コラボ商品などを購入する」。こんな具合で好きな気持ちが行動となって現れているという感じです。
一方のAくんのファンであるもう1人は「好きだな」という気持ちを、うちに秘め静かに心の中で応援する。そういった具合です。
ここでの大きな差は「自発的行動量」の差です。
自分の好きなものに対してもはや自らが宣伝隊長のようになりながら「行動」していく、そしてその量が多いというのが「推している人」なのです。
そして面白いことに、脳科学ではこの自発的行動量が対象に対して多ければ多いほど対象のことが魅力的に見えてくるという研究があります。
つまりは、この「自発的行動量」が多い「推している人」というのは、「ファン」より「熱狂的に応援する」という傾向にあるのです。
推し活経済圏の特徴とは?
推し活経済圏とは、いわゆるアイドル事務所やIP元が出す「公式」的な施策に加えて「推してくれる人」の自発的行動量から生まれる「非公式」的な施策が加わり、今までだったらなしえなかった大きな影響力が、短期間でも育っていくような経済圏です。
例えば、新商品の発売をする際「CM」を打ったり、「イベント」を会社側が仕掛けること。そしてそれに関する収益が発生すること、これがいわゆる「公式」の部分です。一方的で、その新商品を「いいじゃん」と思った消費者が「この商品めっちゃよかった」「こういうふうに使うと便利だよ」とSNSで発信したり、「これと別のこの製品を一緒に使うといいかも」と付随した商品を買ってくれたりする。これが「非公式」的な部分です。
SNSによって、消費者1人1人が発信権限を持ったことでこうした「非公式」的な側面の影響力はどんどん大きくなっています。
もちろんこの「非公式」を味方につけるというのは簡単なことではないですが、そもそもの公式の施策設計を消費者参加型にして「非公式」的な発信促すなどやれることはゼロではありません。
この推し活経済の構造を理解した上で、作る時から「愛され戦略」を頭の片隅においてみるというのも1つのあり方かもしれません。
推されるための三箇条
ここからは、企業やサービスが「推れる」ために持っておくべき3つ要素について推し活を行っている300人の人のアンケート結果を元にお伝えしていきます。
①「一生懸命で誠実であること」(消費者や関係者と丁寧に関わる)
「推し活に関するアンケート」を行った際に結果として出てきたものの中で印象的なデータがあります。「推すのをやめるきっかけはなんですか?」という質問に対して、「応援対象の不祥事」という回答を圧倒的に超えて一位となったのが「運営に誠実性を感じなくなった」という回答でした。
多くの情報や広告に囲まれるようになった現代において「自分が大切にされていない」「金儲けの対象にされている」というのは以外と透けてみえてくるものです。
だからこそ「誠実な対応」が企業の価値になります。
「この人が言っているから買ってみよう」「この人がそういうなら、そうなのかもしれない」そうした信頼を1人1人と丁寧に関わることで積み重ねていく。
これこそが地道かつ「愛されるため」の一番近道といえるでしょう。
②「ブレない世界感を持っていること」(人が共感できるストーリーを作れている)
推し活の非公式経済圏がある中でも重要なのが、核となる商品が共感されて
ストーリーになっていること、そしてその中で語られるメッセージに一貫性があることです。
例えば、コスメ会社が施策を打つときに「メンズもウェメンズも使えるコスメですよ」というメッセージを出していたとします。一方で、そのメッセージを出すコスメ会社がイベントをした時に、店員が全員女性で結局メッセージは広告に過ぎないと感じて購入に至らなかった。これは実際に私の大学の同級生が話してくれたエピソードです。
このように世界観やストーリーを作った上で、それが体現できていないと意味がないのです。消費者の「裏切られた」という感覚を回避し、「愛されるため」の重要なのは世界感やストーリーを大切にしながら、体現していくことです。それこそが本当の意味での「共感」を生み、購買を産むことに繋がります。
③「完璧ではないこと」(ユーザーが共創できる隙があること)
推し活経済の中で重要になるのが、いかに非公式経済を味方につけることができるかです。
情報が溢れる世界の中で、人が多くの情報の中からその情報を「自分ごと化」する要因はなんでしょうか?
それは「自分が関わる余地と価値があるかないか」です。自分が参加し、何かが変わっていく。自分が役に立っている。自分が関わることへの価値を感じることで初めて「自発的行動」が生まれていきます。
そのために必要なのが、最初から完璧なものを作るのではなく「消費者が関わる隙」を設計しておくこと。「隙」を作ることで、消費者が「動く幅」ができ「自分ごと化しやすくなる」。愛されるためには、うまく仲間に引き込む「隙」が重要になってきます。
終わりに
いかがだったでしょうか?少しでもおもろいと思っていただけたり、自分のやっているビジネスや考えのインスピレーションになっていただけたら嬉しいです!
もし興味ある方は、ぜひ本も覗いてみてみてください!(本では愛される三箇条を体現したい実際の様々な企業事例載せていますよ)
「推し活経済新しいマーケティングのかたち」はこちらから
副読本(データも含む)としてこの辺もおすすめです!


